◆repel(~を追い払う)
パス単1級(0749)
英検1級レベルなので、かなりの難単語ですが、この機会に覚えちゃいましょう!!re-はラテン語系の語に用いて、反、後、退、離、再、相互を表す、接頭語です。なお、繰り返しを意味する場合は、ラテン語系以外の語とも結びつきます。
例:rebound←boundはフランス語系の動詞。
今回、改めて辞書を引いて驚いたのは「ラテン語系の語に用いて」という事です。別に、私はラテン語やら、ギリシア語やら、ゲルマン語やらの見分けがつくほど言語オタクではありませんが、トリビアとして、面白いな~と思いました。
ーpelは、ラテン語pellere「to drive(駆り立てる)to push(押す)」に由来し、-pulsという語幹になる事もあります。これらの語幹を含む単語はかなりあるようなので、以下に列挙します。なお、単語の後の略語はその単語を見出し語として収録している市販の単語集です。単語のレベルの参考まで。
パス:パス単1級
T990:キクタンTOEIC990
T800:キクタンTOEIC800
T600:キクタンTOEIC600
S:キクタンSuper
A:キクタンAdvance
appeal (懇願する)T600
compel (無理やり~させる)T800、A
compulsive (衝動的な)
compulsory(強制的な)T800、A
dispel (~を追い散らす)パス、T990、S
expel (~を追い出す)パス、S
propel (~を前進させる)
impel (~を駆り立てて~させる)
impulse (衝動)パス、A
impulsive (衝動的な)パス
pulse (脈拍)S
repulse (~を撃退する)パス
凄いですね~、ーpel(ーpuls)という語幹を覚えるだけで、repelを含めて6つも英検1級レベルの単語を覚えられます!!ありがたや~、ありがたや~。あと、この一覧を見て感じて欲しいのは、英検1級の単語が決して、難しくないという事です。実は、英検1級の単語には、TOEICレベルの単語(dispel)やAdvanceレベルの単語(impuls)も入っているという事です。また、パス単1級は単語2100、熟語300を収録していますが、impulseとimpulsiveがそれぞれ別の見出し語としてカウントされている事から分かるとおり、実は派生語で水増しされていて、実質的な負担はそこまで多くないという事です。やる気、出てきましたか?一緒に英検1級を取って、英語ペラペラを目指しましょう!!
◆Leave them to us.
鉄板の表現ですね。数多くの英会話本が出版されていますが、かなりの数が、この表現を載せているんじゃないかと思います。ビジネス英語系の本にも載ってますね。やりたい仕事の話が出てきたら「その仕事を私にやらせて下さい」と上司に言ってから、是非心の中で”Leave it to me.”と言いましょう。こういう練習をしておけば、いつでも海外赴任OKです!!スパルタ英語らしく、これで終わらせずに、さらに掘り下げて行きましょう。
◆SVOOとSVOの違い
Leave it to me.は、SVOの第三文型ですが、SVO1O2の第四文型に書き換えると、理論上はLeave me it.となります。SVOとSVO1O2では、何が違うかと言うと、2つの対象物のうち、どちらに焦点をあてているのか?という点です。両方とも、後ろに置かれている対象に重点が置かれています。
つまり、”Leave them to us.”の場合、usの方がthemよりも後ろに来ているので、usに焦点が置かれています。一方で、”Leave us neighbors.”の場合、negiborsの方がusよりも後ろに来ているので、negiborsに焦点が置かれています。
”Leave them to us.”のイメージとしては、あいつらを倒すという役目は、警察でも、自衛隊でもなく、『俺たちに』任せてくれよ!!という感じですね。
一方で、"Leave us neighbors."はどうかと言うと、バルタン星人やゴジラ、ショッカーにロケット団など、色々な敵が同時に出現した時に、『じゃあ、ネイバーは俺たちがやるから、バルタン星人の方はウルトラマンよろしくね。』みたいな感じです。俺はバルタン星人・ゴジラ・ショッカー・ロケット団ではなく、『ネイバーを』やるぜ!!ということですね。
ここまでは、文法書にも掲載されているケースが多い内容です。スパルタ英語ですので、さらにさらに掘り下げて行きましょう(笑)
◆旧情報が先、新情報は後
どちらに焦点が置かれているか?という話は別の見方をすると、どちらが旧情報で、どちらが新情報か?とも言えます。英語には、『既知の旧情報が先に来て、新情報は後に置かれる』というルールがあります。
『正体不明のモンスターが暴れていて、何とかしないといけない。』という事は、 三門市民が共通で持っている認識ですので、旧情報です。しかし、ボーダーが現れるまでは、誰がネイバーを倒すか?というのは、決まっていませんでした。なんせ、自衛隊すらやられてしまう状況ですからね。つまり、ボーダー登場までの、役割分担は下記の表の通り。
第一次ネイバー侵攻 役割分担表
役割 | 担当 |
逃げまどう人 |
市民A |
絶望する人 |
市民B |
隠れる人 |
市民C |
中略 |
中略 |
戦いを挑んでやられる人 |
自衛隊 |
モンスター倒す人 |
未定 |
『”我々”に任せてくれ』という台詞のおかげで、これまで未定だった役割が決まるので”us”が、新情報というのがよく分かりますね。こういう新情報は文の後ろに持って行くのが英語のルールなんです。
後ろに焦点を置く話や、旧情報と新情報の話は下記ブログが詳しいです。
End foucusとEnd weight
http://www.alc.co.jp/business/article/hinata/2011/12/end_focusend_we.html
旧情報と新情報
http://www.alc.co.jp/business/article/hinata/2012/08/svoosvotofor.html
◆SVO1O2の文型でO2にくるのは具体的名詞のみ、代名詞は不可
先ほど、Leave it to me.の書き換えは、理論上はLeave me it.と書きましたが、実際にはこういう言い方はしません。まず、前述しましたが、SVO1O1では後ろの目的語O2に重点が置かれます。そして、その目的語は複数の選択肢から選ばれています。従って、代名詞を使うと、それが何を指しているのか分からなくなってしまいます。なので、SVO1O2の文型を使う場合、後ろの目的語O2に代名詞は使えません。具体的な名詞が用いられるという事を覚えておいて下さい。
例えば、『彼女の誕生日に指輪を贈るか、服を贈るか迷ってるんだけど、どっちが良いと思う?』という質問に"Give her it."では、返事になってませんよね。でも、”Give her a ring.”なら、伝わります。そういう事です。
戦後の子どもが、米兵に”Give me chocolate!”と言って、お菓子を貰ったという話は有名ですが、SVO1O2のうち、O2はシッカリと具体的な名詞になっていますね。キャンディやキャラメルなどの選択肢がある中で、他でもないチョコレートをくれと言っているわけです。色んなお菓子があるのに、代名詞を使って、”Give me it.”と言われても、米兵としては、子どもが何を欲しいのか分かりません。
他にも、日本テレビのバラエティ『雷波少年』で有名な、Something Elseの曲
『ラストチャンス』では、サビの歌詞が"give me a chance"です。ここでも、O2に代名詞ではなく、具体的な名詞が入っています。お金でも、 名声でもなく、『チャンスを』くれ!!という切実な感じが語順からヒシヒシと感じられてきますね。
下記の海外のQ&Aサイトでは、"Give a break to me."は文法上正しいが使われない。
”Give me a break.”の方が普通という回答がついています。
『休憩を』くれ!!って感じですね。
http://www.usingenglish.com/forum/threads/24148-quot-give-me-it-quot-vs-quot-give-it-to-me-quot
◆代名詞は動詞とくっつきたがる傾向がある。
SVO1O2のO2に代名詞が来ない別の理由付けとして、『目的語の代名詞は動詞とくっつく』というルールが挙げられます。
有名な例としては、動詞+副詞の句動詞に代名詞の目的語がつくケースです。『ボールを見つける』は”find out a ball”でも、”find a ball out”でも、どちらでもOKです。しかし、"a ball"の代わりに”it”を使う場合、”find it out”しか、成立しません。それと同じルールがSVO1O2にも、適用されていると考えると理解しやすいかも知れません。
※動詞+前置詞の句動詞の場合は目的語は前置詞の後ろにつきますので、ゴチャマゼにしないように注意が必要です。
句動詞と代名詞まとめ
| 動詞+副詞 | 動詞+前置詞 |
動詞の直後に代名詞が来る |
○pick him up |
×call him on |
動詞の直後に代名詞が来ない |
×pick up him |
○call on him |
◆まとめ
いろいろと詰め込んでしまったので、少し整理しましょう。
『(人)に(物)を~する』という表現方法は、SVOとSVOOの2パターンがあり、目的語に関しては 物が具体的か代名詞か?人が具体的か代名詞か?ですので2×2×2で8パターンあります。その全8パターンを下記の通りまとめました。
SVOとSVOOの比較
文型 | 物 | 人 | 例文 | 判定 | 備考 |
SVO |
具体的
(a black trigger) |
具体的
(Yuma) |
Yugo gave a black trigger to Yuma. |
OK |
①文法的には正しい。ただし、『誰に』あげたか?に焦点があてられているので、遊真のブラックトリガーを表現するのにはやや不適切。 |
代名詞
(him) |
Yugo gave a black trigger to him. |
OK |
代名詞
(it) |
具体的
(Yuma) |
Yugo gave it to Yuma. |
OK |
代名詞
(him) |
Yugo gave it to him. |
OK |
SVOO |
具体的
(the black trigger) |
具体的
(Yuma) |
Yugo gave Yuma the black trigger. |
OK |
②文法的にも、内容的にも適切。 |
代名詞
(him) |
Yugo gave him the black trigger. |
OK |
代名詞
(it) |
具体的
(Yuma) |
Yugo gave Yuma it. |
NG |
③原則的には、O2に代名詞を使えない。 |
代名詞
(him) |
Yugo gave him it. |
NG |
備考の補足 ①SVO
あげる物に関して、具体的な名詞を使う事も、代名詞を使う事も、文法的にはOK。ただし、この表現は『誰に』あげたかに焦点を当てている点に注意。有吾と遊真は2人で旅をしていたので、形見を残す相手が遊真である事は必然。従って、内容的には、やや不適切。有吾が遊真に『何を』あげたか?に焦点を当てる方が自然なので、SVOOを使った方がより適切。なお、木戸司令によって回収された風神は、逆にこちらのSVOの方が適切。Kido gave Fujin to Miwa.とすると、複数の候補者から三輪を選んだ感じが出るのでグー。
②SVOOで、O2が具体的
一番適切な表現。有吾は、金や土地などの財産ではなく、『ブラックトリガーを』あげたという感じが出てくる。
③SVOOで、O2が代名詞
原則的に、O2には代名詞は使えないのでNG。
・SVOOはO2に焦点を当てる表現なのに、代名詞を使うと焦点がぼける。
・代名詞の目的格は、動詞または前置詞にくっつく性質がある。
・音声学的に発音しにくい。
◆ちょっと、チラ裏
私は基本的に、文法重視の詰め込み式英語教育は正しいと考えています。しかし、SVO⇔SVOOの単純な書き換え問題に関しては、これまで、説明してきたニュアンスの違いを踏まえると、ちょっとナンセンスな気がします。どうしても、そこを問いたければ、状況を説明した上で、英作文をさせれば良いと思います。センター試験や私大でも、語群から前置詞を抜いた語順整序問題にし、 必要に応じて前置詞を追加して良いとした上で、5番目にくる語はどれか?みたいな設問にすれば、マークシートでも出題できるのではないかと思います。
例:『親父は(実子の俺ではなく)養子野郎に遺産を残しやがった!!』という趣旨の英文を、語群を並べ替えて作れ。その際に前から7番目の単語を答えよ。(単語数を数える際に前置詞は除く。)
語群(child, father, money, his, my, the, left, adopted)
My father left his eastate to the adopted child.となるので、adoptedが正解。My father left the adopted child his eastate.と考えて、hisと回答した場合は不正解。
※ネイティブチェックを受けているわけではないので、ミスや問題として成立しない可能性がある事を、ご了承下さい。あくまで、無味乾燥な書き換え問題に対する提言が趣旨であることをご理解下さい。
◆でも、実は・・・
ここまで、散々、SVOとSVOOについて述べ、”Give me it.”は間違いと説明しましたが、実は、ネイティブは”Give me it."を使います。あ~、物を投げないで!!
本当にちゃぶ台返しで、すみません。m(_ _)m
ただ、ネイティブが”Give me it.”を使うのも、とても怒っている時など、限られた状況ですので、基本的には使いません。詳しくは、下記を参照して下さい。色々な方のSVOOとSVOに関する説明が大変参考になります。
http://okwave.jp/qa/q1769886.html
日本人が書いたQ&Aなんか信用できないという方は、下記を参照下さい。The cureというイングランドのロックバンドが”Give me it.”という曲を発表しています。
http://m.youtube.com/watch?v=SmPSLtBLEls
確かに、Q&Aで書かれているように、怒っている状況の歌詞ですよね。これ以外にも、この映画・ドラマでも使われてるの見たことあるよ~とか、この曲でも使われてるよ~とかあれば、是非是非コメント下さい。
◆チラ裏、その2
実際にはネイティブが使っている表現を、敢えてNGと最初に説明したのは、我々、非ネイティブは逆立ちしても、ネイティブになれないからです。全giveの使用例の中で”Give it me.”が、占める割合は確実に1%以下です。修のトリオンよりも少ない事例のために、労力を割くのは愚策以外の何物でもありません。
逆に学校で習う英文法、TOEICの文法は基礎中の基礎です。いわば、オプションなしのアステロイドのようなものです。アステロイドをまともに使えない人間が鉛弾を使えないのと同様に、基礎文法を使いこなせない人間がGive it me.を学んでも意味がないのです。それを理解しないまま、『文法なんて勉強しても、英語は話せない。』などとのたまう輩は、帰ってメガネしまって寝ろ!という感じです。
◆現在完了形(継続)We've prepared for this day for a long time.
現在完了の概念は日本人にはなかなか難しいですね。読む・聞くなら問題なくても、使うとなるとかなりハードルが 高いと思います。正直、私自身も使いこなせていません。 安心材料として言えるのは、近年米国では若者の完了形離れが発生しているらしいという事です。日本人の「ら抜き言葉」や「敬語の乱れ」に近い現象なのではないかと、個人的には思っています。彼らが完了形を使わないのは、理解できないのではなく、省略しているだけなので、日本人が完了形を使えないというのとは違いますが、完了形の有無が意志疎通の妨げにならないという事の事例として参考まで。
とは言え、意志疎通をはかるだけなら多少間違っていても通じると安心しつつも、スパルタを標榜するからには、可能な限りネイティブの発想に近づきたいですよね。
この文は現在完了の継続用法の典型的な事例で、なおかつ単語レベルも難しくないので、このままボーダーになったつもりで、最低20回は暗唱しましょう。
ところで、この台詞誰が言ったんですかね?絵を見ると前面に出ているのは迅ですが、これは漫画的演出によるもので、実際に言ったのは忍田さんなのではないかと勝手に妄想推測しております。アニメではこの台詞もナレーターが読んでたかな?
録画してる方、おりましたら、コメント下さい。
今回は、更新も遅くなりすみません。
アクセスログを見ると、同じ方が数日おきに来訪されているようで、恐縮です。
表を作るためにタグの勉強をしたり、文法について裏を取ったり、文章の推考をしていたりしたら、かなり時間をくってしまいました。
(このグダグダ文章で推敲したのかよ!?とかつっこまないで・・・)
今後も、確かなまんぞく目指して頑張ります。