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ワールドトリガーでスパルタ英語

ワールドトリガーの英語版ペーパーバックで、英語をガッツリ勉強するブログです。対象レベルとしては、中学を卒業したぐらいの初心者レベルから、英検1級取得を目指す上級者レベルまで、幅広いニーズに対応する予定。ちなみに、筆者の英語力は次の通り。某都立進学校卒→早稲田大学商学部卒→国内メーカー勤務→TOEIC950点(2014年3月IPテスト)。ちなみに×2、英検は3級(笑)(受けてないけど、問題集見た限りでは、多分準1級は取れる)。英検1級取得に向けて、勉強中。

ワールドトリガー Chapter 1: Osamu Mikumo その16

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ワールドトリガー Chapter 1: Osamu Mikumo その16

今回はみんな大好き仮定法です。

レプリカ:Unprotected, you would have suffered the damage.
(保護されていなければ、君は損傷を負っていただろう。)

◆仮定法"conditional sentence"の基礎
レプリカの説教が続きます。"Unprotected, you would have suffered the damage."(保護されていなければ、君は損傷を負っていただろう。)いわいる仮定法の文です。しかも、ちょっぴり複雑。
文の構造を先に書くと、下記の通りです。

 条件節:分詞構文。仮定法過去(second conditional)
 帰結節:仮定法過去完了(third conditional)
 条件節と帰結節で時制が異なる混合文(Mix conditional)

この説明で分かる方は、読み飛ばしてOKです。

仮定法がよく分からないな~という方は、下記ブログがオススメです。

【あぁ〜ん?ハリソン内科学でお前 を殴打してやろうか!!】
ブログのタイトルは物騒ですが、書いている内容は究めてシンプル、かつ実用的です。『現実じゃなかったら、時制を一つ戻す』、これが仮定法の基礎にして全てです。超オススメの内容です。

【きむてつオフィシャルブログ】
このブログも分かりやすいです。
ESL等で、英語で英文法を学ぶ時の文法用語(conditional)を用いています。日本の文法用語に慣れていると、取っ付きにくいかも知れませんが、こちらの方がスッキリと整理しやすいので、オススメです。
混乱しないように補足しますと、『現実じゃなかったら、時制を一つ戻す』というルールは、このブログでいうところの”second conditional(仮定法過去)”と”third conditional(仮定法過去完了)”に適用されます。"zero conditional"と”first conditional”は現実に起こりうる話なので適用されません。

【RETURN】
このブログでは複数の記事に分けてもう少し詳しく書いてあります。高みを目指す方は是非、御一読下さい。
詳しすぎて、逆に混乱する可能性があるので、初心者の方は、見ない方が良いかも知れません。
仮定文
Zero conditional
First conditional
Second conditional
Third conditional

engVidのレッスンはこちらです。
Zero and first conditional
Second and third conditional

リスニングに自信がない場合は代ゼミの講義をどうぞ。
8:00あたりから、仮定法はズラすだけという原則が解説されます。
代ゼミ<ミニ体験講座>高2生対象「仮定法の原理」英語 富田一彦講師

ネイティブ英語のススメ
特別なことは書いてありませんが、日本で習う文法用語で書いてありオーソドックスな説明なので、分かりやすいです。一通り、必要な事は書いてあるので、復習には丁度良いかと思います。

◆分詞構文の仮定法
さて、仮定法の基礎を勉強しましたが、"Unprotected, you would have suffered the damage."にはIf節(条件節)がありませんね。これは、過去分詞"Unprotected"が分詞構文になっていて、それがIf節(条件節)の役割を果たしているからです。

以下、英文法大全から引用

(引用はじまり)

(2) if節以外の方法で仮定法を表す場合 4. 分詞に仮定の意味を含めたとき - 分詞構文の形で
Born (=If he had been born) in better times, he would have become a great scientist.
(もしもっとよい時代に生まれていたら、彼は偉大な科学者になってい たであろう)

(引用おわり)



レプリカのセリフを同じように書き換えると"Unprotected(= If you were unprotected), you would have suffered the damage."となります。

後に明かされる話ですが、遊真の体はトリオン体で、通常の肉体よりも頑丈です。つまり"You are protected."な状態です。しかし、もしトリオン体でなければと現実とは異なる仮定をしているので(反実仮想)、時制が一つずれて"If you were unprotected"(実際には保護されているけど、もし保護されてない状態だとしたら)となります。
帰結節(結論)も仮定法でなければ、"you would suffer the damage."です。しかし、今回は仮定法なので、時制が一つズレて"you would have suffered the damage."となっています。

◆現在形の用法
ここで着目したいのは、仮定法過去と仮定法過去完了の混合文という点です。前述の通り、条件節(if節)は仮定法でなければ、時制は現在時制です。一方で、帰結節(結論)は仮定法でなければ、過去時制です。条件節(if節)、帰結節(結論)ともに事故った瞬間の話を話しているのに時制が違います。これは表現する対象の性質に起因します。条件節の"be protected"というのは瞬間的な行動ではありません。過去の一件以来ずーっと遊真はトリオン体です。つまり定常的な状態を表しています。事故の瞬間というのは話している時点よりも過去かもしれませんが、その時だけトリオン体だったわけではないので、過去形ではなく現在形が用いられます。そして、仮定法で時制が1つズレて初めて過去形になります。

ちなみに、遊真の場合は常にトリオン体だったので現在形ですが普通の人だったら、過去形です。例えば、「バイクに乗ってる時に事故にあったけど、ヘルメットをしていたから助かった」というケースで考えてみます。ヘルメットをかぶるというのは、定常的な状態ではないので、ヘルメットをかぶっていた時の事について言及したい場合、過去形です。従って、"I was protected"です。で、仮定法にすると時制がズレて、"If I hadn't been protected"になります。
近い感覚の話としては、"Are you married?"と聞かれた場合の返事は"Yes, I am."です。10年前から結婚してても、過去形は使いませんし、現在完了形、現在進行形も使いません。現在形でOKです。"I was."と答えると、「結婚していたけど、今は離婚している」という意味になります。これは、"I was protected."の、「事故の時はヘルメットかぶっていたけど、今はかぶっていない」というニュアンスと全く同じですね。

で、帰結節の仮定法じゃない場合の時制は過去時制です。これは、既に事故が終わって振り返っているので、普通に過去形が用いられています。仮定法だと、そこから時制が1つズレて過去完了になります。

現在時制は中学生レベルだけど実は奥が深いという事を解説した本やサイトも多いので、知っている方は多いかと思います。しかし、実際に使いこなせるか?というと全く別の話です。私も書くならまだしも、話すとなると滅茶苦茶です。中学生レベルと侮らずに、問題意識を持って使っていきましょう!!
ぶっちゃけ、今回のケースは条件説が分詞構文化されているので漫画を読むだけなら、難しく考えなくても意味は分かります。しかし、そこで自分を甘やかさずに、シッカリ自分も同じ様に発信出来るか?という観点で勉強していくと理解が深まります。

◆"the damage"の意味
このレプリカのセリフを掘り下げていきます。
なぜ、"damage"に定冠詞"the"がついているんでしょうか?

まずは、theについて復習しましょう。aとtheの使い分けについては日向清人氏のブログ『ビジネス英語雑記帳』に素晴らしい解説があったのですが、今はなくなってしまっているようです。書籍化される模様。本当にアルクは守銭奴ですね。残念無念。
日本での英語教育だとよく「特定できる場合」は"the"を用いるとあるのですが、これは少し言葉足らずで、【話し手と聞き手の両方が特定できる場合はtheを用いる】の方が正しいです。
例えば、参加した合コンにメッチャ良い女がいたとして、そのことを翌日友達に話す場合、"I met a hot girl."です。実際に会っていて、顔と名前も一致する、連絡先も知っている。完全に特定されています。でも、使うのは"a"です。

なぜなら、聞き手は特定出来ていないからです。

theを使うには、話し手だけでなく、聞き手も特定している必要があります。と言うか、逆ですね。「これから話す情報はお前も知っていることだぜ」というサインがtheです。そうすると、aは逆ですね、「これから話す情報はお前が知らないことだぜ」というサインです。

この場面で、当初、私は以下の様に考えました。

話し手であるレプリカと聞き手である遊真がダメージの話をしている。2人は、もし遊真がトリオン体じゃなかったら・・・という、実際の状況とは異なるシチュエーションを想像(反実仮想)。あくまで想像の世界なので実際には受けてないダメージ。存在しないダメージだから当然特定はできない。damageは不可算名詞だから無冠詞であるべき。

しかし、実際には定冠詞theが付いている。なぜだ!?というわけで、ネイティブに確認してみました。

皆さん、平易な英語で回答して下さっているので、非常に分かりやすいかと思います。

以下、回答を一部抜粋します。

For this meaning, 'the' is necessary. It's the word that tells you that they are talking a single damage -- the damage resulting from the accident -- and this was going to be suffered either by the car or by Yuma. Without 'the', there is no such comparison between Yuma and the car. It would only mean that Yuma would have suffered damage. Possibly the car would have been damaged as well.

この意味では、”the”は必要です。これは、彼らが1つのダメージ(すなわち事故の結果発生したダメージ)について話していることを示す語です。このダメージは車か遊真のどちらかが受けるものです。”the”を入れないと、そのような遊真と車の間の関係性が表現されなくなります。”the”なしの文は単に、ダメージ負っただろうという意味になります。もしかしたら、その車も同じ様にダメージを負ったかもしれません。



平たく言うと、ネイティブの頭の中では、エネルギー保存の法則が意識されているということですね。ローコンテクスト言語、マジ半端ねー!!
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プロフィール

HN:
miz
性別:
非公開
自己紹介:
【学歴】
小学校:地元公立。英語は全く学習せず。
中学校:地元公立。英語は学校の勉強のみ。
高校:某都立進学校。模試で偏差値30台。
浪人:某予備校で一浪。模試で成績上位者に。
大学:早稲田大学商学部。勉強せずに卒業。
現在:国内メーカーに勤務。

【英検】
英検3級  中学の頃。[記録なし]
英検準1級 15年第3回 [一次78点、二次33点]

【TOEIC】
08年10月 630点 [記録なし]
12年09月 625点 [L285、R340]
13年03月 685点 [L325、R360]
13年06月 685点 [L305、R380]
14年03月 950点 [L460、R490]
14年12月 920点 [L470、R450]

【TOEIC SW】
15年02月 280点 [S130、W150]

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