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ワールドトリガーでスパルタ英語

ワールドトリガーの英語版ペーパーバックで、英語をガッツリ勉強するブログです。対象レベルとしては、中学を卒業したぐらいの初心者レベルから、英検1級取得を目指す上級者レベルまで、幅広いニーズに対応する予定。ちなみに、筆者の英語力は次の通り。某都立進学校卒→早稲田大学商学部卒→国内メーカー勤務→TOEIC950点(2014年3月IPテスト)。ちなみに×2、英検は3級(笑)(受けてないけど、問題集見た限りでは、多分準1級は取れる)。英検1級取得に向けて、勉強中。

ワールドトリガー Chapter 1: Osamu Mikumo その15

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ワールドトリガー Chapter 1: Osamu Mikumo その15

遊真:Yikes. Japan is kinda dangerous.
(うわ。日本はなんだか危険だな。)
Nyorp
(ニュー)
レプリカ:You should be more attentive.
(君はもっと注意深くあるべきだ。)

◆驚きを表す間投詞"Yikes."
衝突事故の事情聴取を終えた、遊真が"Yikes."と言ってます。

原作の日本語版のセリフは「いやー日本も意外とキケンだなー」です。一方で、"yikes"のジーニアス英和大辞典の訳は「ウワッ、キャッ、ゲッ、ギャー」が並んでい ます。また、ロングマン(LDOCE)の定義は"said something fritens or shocks you"となっております。 さらに、"yikes"で画像検索しても、同様に本当に驚いた感じの表情ばかりが出てきます。これらを見ると、 「いやー」の英訳として、"Yikes."は少し強すぎる気がします。

じゃあ、何が適切な語か?というと難しいのですが、私の拙い語彙では"phew"が良いかな、と思いました。

ジーニアスでは、「ふう《安堵感・疲れ・息切れを表す》;うわあ、へえっ《不快・驚きを示す》」とあり、ロングマン(LDOCE)では「used when you feel tired, hot, or relieved」とあります。警察からの事情聴取から解放されて一息ついたという感じが、安堵感 や"relieved"のイメージに繋がるかなと思うのですが、如何でしょうか?

◆「意外と」の訳し方
遊真が"Japan is kinda dangerous."と日本に対する印象を述べます。
構造はシンプルなSVCです。中学生レベルの基礎英語をバカにする人がいますが、実際に生の英語で通用するという良い見本ですね。
ちなみに、原作のセリフは「日本も意外とキケンだなー」です。「意外と」にこだわって、"unexpectedly"なんて難しい単語を使わなくても良い、という意味でも非常に参考になるプロの翻訳家の技が光る名訳ですね。

◆kinda = kind of
"kinda"は"kind of"の省略形です。厳密に品詞分解すると「名詞+前置詞」ですが、”kind of”で副詞と覚えておけば充分です。これを置くことで、断定を避け、ぼやかした表現にできます。"Japan is dangerous."だと、意味が強くなりすぎるので、形容詞"dangerous"の前に”kinda”を置いて、少し表現を和らげています。直訳すると「日本は何だか危険だ」です。「日本は危険だ」よりグッと柔らかいですね。

なお、ここでは形容詞の前に置かれてますが、動詞の前に置かれることもあります。少し先ですが、14話で三輪に襲われた後の遊真の次のセリフが良い例です。

遊真:Say. There's a botder agent called Jin, right? I kinda know him. Can you ask him about me?
(ねえ。迅って呼ばれてるボーダー隊員いるでしょ?一応、知り合いなんだけど。その人に俺のこと聞いてくれない?)

ここでは動詞”know”を修飾し、ぼやかしてます。” kinda”なしで"I know him."だと「そいつは俺の友達だぜ」みたいな感じになってしまいます。"kinda"を付けることで「友達ってほどでもないけど、一応知り合いだよ」みたいな微妙な距離感が出ます。実際、14話の時点では、直前のラッド掃討作戦で少し話をした程度の間柄で玉狛支部に所属する前なので、仲間というほどの関係ではありません。そういう意味ではこれも名翻訳ですね。

ロングマン(LDOCE)の例文だと、”He's kinda dumb, isn't he?”というのが載っていますが辞書の短い例文だと、前後の文脈が全く分かりません。そういう意味では、生の英語の中での使われ方を確認した方が実用的です。辞書や参考書を使った理解と生の英語に触れること。両方が大事です。

ちなみに、全然英語と関係ありませんが、14話はワールドトリガーのターニングポイントとして有名な話ですね。そんな歴史的背景にも思いを馳せながら読むと、より感情移入できるかも知れません。
http://plus.shonenjump.com/ext/1312/osu_pc/index.html

ところで、さきほど"kind of"は副詞と書きましたが、程度を表す名詞の前にも置かれたりします。副詞は原則として名詞の前に来ませんので、そういう意味では前置詞"of"の性質が残っています。ただし、程度を表す名詞以外の修飾は不可です。

She's kind of a fool.
(彼女は少々ばかだ)

文型上なくても文章として成立するけど、あると細かいニュアンスが伝わる。それが副詞です。仕事で普通に英語を使っている人でも細かいニュアンスを伝えるのが苦手という方がいらっしゃいますね。意志疎通だけなら問題ないけど、コミュニケーションする上で、ややフラストレーションがたまるという方です。中上級者の方に多いですね。まあ、ぶっちゃけ私のことですが(爆)。そういう方は、副詞を意識的にactive vocabulary化していくことが肝要です。

◆"dangerous"の発音
某A級1位の隊長が"danger"をダンガーと発音して、バカにされていましたが、皆さんは正しく発音できますか?「デンジャー」ではありませんよ。「デインジャー」です。"dangerous"も「デインジャラス」です。片仮名だと正確に伝わらないので、皆さん辞書で 調べて下さい。

déɪndʒ(ə)rəs
http://ejje.weblio.jp/content/dangerous

◆英訳の限界(平仮名と片仮名)
前回出てきた擬態語”Nyorp”がまた出てきました。英語版では同じなんですが、日本語版では前回が 「にゅー」で、今回は「ニュー」です。絵で見ると、 前回は触覚だけ出てきて住所を耳打ちするだけでしたが、今回は本体が出てきます。この辺の力強さの違いが平仮名と片仮名で表現されているんですが、英語では、このニュアンスの違いがなかなか伝えられないですね。
また、先ほど取り上げた遊真のセリフの中に" dangerous"がありましたが、これに対応する語は原作 の日本語版では「キケン」と片仮名表記されてました。これは、遊真がネイバーであり、漢字に強くないという表現ですが、それも英語にできない表現です。
こういう言語の違いを堪能出来るのが、オリジナルが 日本語の作品を英語で読むメリットです。初めから英語で書かれたペーパーバックを読むことでは得られな いメリットですので、存分に楽しみましょう。

◆助動詞should
レプリカが"You should be more attentive."と遊真に忠告します。ここでの助動詞shouldは頻出用法「~すべ き」ですね。文型はThis is a pen.と同じシンプルな SVC。中学生英語とおろそかにせず、何度も音読して使いこなせるようにしましょう。

◆語源で強化する語彙、"attentive"
"attentive"は「注意深い」という意味の形容詞です。 キクタンSuper12000の見出し語なので、難単語の部類かも知れません。

しかし、構える必要はありません。名詞"attention"「 注意・注目」はキクタンEntry2000の見出し語です。 2000語レベルの超基礎単語の派生語だと思えば怖くも何ともありません。

ちなみに、名詞"attention"「注意・注目」は動詞" attend"の派生語です。"attend"は「出席・参加する」 という意味の他に、「世話をする、付き添う」という意味もあります。日本語でも「クライアントにアテンドする」のような形で用いられてますね。広辞苑にもアテンドという片仮名語として載っているので、日本語化していると言って良いでしょう。

ところで、昔は飛行機の客室乗務員をスッチー(ス チュワーデス)と言っていましたが、今はCAの方が 普及しています。CAは"cabin attendant"と略ですが、 attendする人という意味ですね。

なお、動詞"attend"は、語源的には"at"と"tend"に分けることができます。

"at"は接頭辞"ad"が変化したものです(後ろに"t"が続くため起きた音便)。接頭辞"ad"は、英語の"to"に相当するラテン語で、「方向」の意味があります。そこからさらに意味が広がり、現在では「変化、付加、完 成、開始、近似、強意」なども意味をするようになっています。

接頭辞"ad"は[tの前で]"at"になる以外にも下記の通り、後ろに続く言葉によって音便が発生します。
[c、q、kの前で]"ac" access、acquire 、 acknowledge
[fの前で] "af" affect、afflict
[gの前で] "ag" aggression
[nの前で] "an" annex
[pの前で] "ap" appeal、approach
[sの前で] "as" assemble、assist
[tの前で] "at" attend、attract
[条件不明] "a" agree

"tend"は「伸ばす、向かう」を意味するラテン語" tendere"に由来します。英語では"tend"という形で多 くの語に含まれています。(例:contend、distend、 extend、intend、portend、pretend)

上記のように、"attend"の成り立ちを踏まえ、対象に向かうのが自分自身の場合は「出席・参加する」という意味になるし、対象に向かうのが心、配慮、注意の場合は「世話をする、付き添う」という意味になると考えると理解しやすいかと思います。" attend"「出席・参加する」の派生語がattention「注意」と言われてもシックリ来ないかも知れませんが、 「注意、配慮、気配りする」の派生語と考えればすん なり覚えられるかと思います。

まとめです。
(形)attentive「注意深い」
(名)attention「注意」
(動)attend「出席・参加する、世話をする、付き添 う」
↑"ad(~に)"+"tendere(伸ばす・向かう)"
"ad"、"tend"を含む英単語多数。 (名)attendant「付き添い人、接客係」

かなり長くなりましたが、今回はここまでです。次回はレプリカ先生の説教の続きからです。苦手な人が多い仮定法について、じっくり分かりやすく解説します。
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プロフィール

HN:
miz
性別:
非公開
自己紹介:
【学歴】
小学校:地元公立。英語は全く学習せず。
中学校:地元公立。英語は学校の勉強のみ。
高校:某都立進学校。模試で偏差値30台。
浪人:某予備校で一浪。模試で成績上位者に。
大学:早稲田大学商学部。勉強せずに卒業。
現在:国内メーカーに勤務。

【英検】
英検3級  中学の頃。[記録なし]
英検準1級 15年第3回 [一次78点、二次33点]

【TOEIC】
08年10月 630点 [記録なし]
12年09月 625点 [L285、R340]
13年03月 685点 [L325、R360]
13年06月 685点 [L305、R380]
14年03月 950点 [L460、R490]
14年12月 920点 [L470、R450]

【TOEIC SW】
15年02月 280点 [S130、W150]

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