忍者ブログ

ワールドトリガーでスパルタ英語

ワールドトリガーの英語版ペーパーバックで、英語をガッツリ勉強するブログです。対象レベルとしては、中学を卒業したぐらいの初心者レベルから、英検1級取得を目指す上級者レベルまで、幅広いニーズに対応する予定。ちなみに、筆者の英語力は次の通り。某都立進学校卒→早稲田大学商学部卒→国内メーカー勤務→TOEIC950点(2014年3月IPテスト)。ちなみに×2、英検は3級(笑)(受けてないけど、問題集見た限りでは、多分準1級は取れる)。英検1級取得に向けて、勉強中。

ワールドトリガー Chapter 1: Osamu Mikumo その8

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

ワールドトリガー Chapter 1: Osamu Mikumo その8

But surprisingly few people leave Mikado city.
(しかし、驚くべきことに、三門市を去る人間はほとんどいない。)

◆But surprisingly few people leave Mikado city.のポイント
文の構造は、単純なSVOとこれまた中学生レベルの超基礎です。しかし、もちろんスパルタ英語では超基礎こそ掘り下げていきますぞ。ポイントはずばり、surprisingly, few, people, leave です。
◆surprisingly
この文章で情報を伝えているのは、主語few people、動詞leave、目的語Mikado City であり、これらが文章の骨格を形成しているのは厳然たる事実です。

しかし、生き生きとした文章たらしめているのは、”surprisingly”です。この副詞のおかげで、客観的情報を伝えるだけでなく、話し手の感情を伝える事が出来ています。よく、「意志疎通はかろうじて出来るけど、微妙なニュアンスを伝えるのが難しい」ということを聞きます。これはひとえに副詞力不足です。なくても文章は成立するけど、あるとニュアンスや詳細情報が伝えられる。それが副詞です。これから、副詞(副詞句、副詞節も含む)が出てきたら、自分がactive vocabularyとして、その単語を使えるだろうか?という視点で、見てみてください。格段に英語の表現力が広がります。

さて、副詞は、語彙力があれば受信するのは簡単なのですが、発信するのは語彙力だけでは不十分です。用法をきちんと押さえる必要があります。

副詞は何を修飾するかによって、位置が変わります。ここでの"surprisingly"は、文頭に置かれる事で、三門市民が出て行かなかったという事実、つまり文全体を修飾し、話し手であるナレーターの驚きを示しています。なお、本書では"surprisingly"の後にカンマが置かれていませんが、カンマが置かれるケースが多いので、置く癖を付けておいた方が良いと思います。

なぜ位置が重要なのか?なぜカンマが重要なのか?という事を理解するのに、役立つ例文がForest第6版P.553にありましたので引用します。

(引用始まり)

(a)She did not sing sadly.
(b)Sadly, she did not sing.

どちらも同じ語句から成り立っているが、副詞(sadly)の位置が異なる。これにより次のような意味の違いが生じることがある。

(a)彼女は、悲しそうには歌わなかった。
(b)残念なことに、彼女は歌わなかった。

(a)では副詞sadlyが動詞のsingを修飾しているのに対し、(b)ではsadlyがshe did not singという文全体を修飾し、この内容について話し手や書き手がどう感じているかを表しているのである。

(引用終わり)

少しは、副詞の用法の重要性を感じることが出来たでしょうか?

◆few
これも中学生レベルですね。

最近の高校入試の事情はあまり詳しくありませんが、私の経験からすると公立高校の入試で必ず出るポイントじゃないかと思います。世の中には、学校の英文法は習っても無駄と仰る方が、大勢いらっしゃいますが、実際にこうして米国版のワールドトリガーに出てきており、キッチリ勉強する必要がありますね。文法不要論を唱える方は、根拠を明確にした上で反論願いたいものです。

さて、さすがにfewの用法が分からないという人はいないかと思いますが、念のため簡単な表にまとめます。

fewとlittleまとめ
可算・不可算少し全くない
可算名詞 a few few
不可算名詞 a little little

ペーパー試験の空欄補充問題や英文和訳でこれらの単語に困るケースは少ないかと思います。しかし、自分から英語を発信する際にきちんと使いこなせる人は少ないかと思います(少なくとも私は苦手です)。なぜなら、英語では名詞をnoやfewで否定して、文の構造自体は肯定文という表現がありますが、日本語にはそのような表現がないからです。従って、日本語に引っ張られて、”Most people don't leave Mikado city.”としてしまいがちです。これはこれで、文法上は問題ないのですが、やはりスパルタ英語としては、両方の表現を自在に使いこなせるようになりたいですね。

◆people
peopleは複数扱いです。なので、動詞にも三単現のsがついていません。

ここで注意したいのが、peopleは一般に複数扱いなんですが、じゃあpeoplesという表現がないか?と言うと、そんなことはなく、peoplesという表現もあるという事です。
ロングマン(LDOCE)とジーニアス英和大辞典には、the peoples of Europeという用例が記載されています。ヨーロッパ諸国民という意味です。
WikipediaのEthnic groups in Europeの項にThere are eight peoples of Europeという表現があります。リンク先を見て頂くと分かりますが、Russians、Germans、French、Italians、British、Spanish、Ukrainians、Polesという8つの民族がいるということで、people”s”なんですね。
可算・不可算、単数・複数という概念は日本語にないので、理解しにくい部分ですが、実際の用例に触れていくと、あっさり理解できるケースも多々あります。というわけで、たまには受験参考書やTOEICの問題集を離れて生の英語に触れてみて下さい。

◆leave
leaveについては、”Leave them to us.(任せてくれ)"という鉄板フレーズをChapter 1:その4でやりました。しかし、ここでのleaveは「去る、出発する」という意味です。この意味では下記2つの用法を押さえましょう。

”leave Mikado city”「三門市を去る」
”leave for another city"「他の町に向かって出発する」

また、2つを組み合わせて、leave Mikado city for another cityとすることも可能です。

用法というほど大袈裟ではありませんが、下記目的語との組み合わせも使えるようにしておくと便利です。

leave the house 家を出る
leave the office 退社する
leave the country 出国する
leave the hospital 退院する
leave home 家を出る
leave work 退社する
leave school 退学する
leave my husband 夫を見捨てる(別れる)
leave my job 仕事を辞める

場所だけでなく、職や人も目的語に取る事ができるというのが分かりますね。

◆現在形の難しさ
このleaveのもう1つのポイントは現在形を用いているという点ですね。chapter 1:その7でもやりましたが、現在形は日常的に起きている事を表します。"Nobody leaves Mikado city."ではないので、三門市を去った人もいるでしょう。仮に28万人のうち280人が去っていると仮定しましょう(280人なら、全体の0.1%なので”a few”ではなく、”few”を使っても良いと思います)。現在形を使うと、4年間の間に一人、また一人と日常的に去っている感じがしますし、今後も去っていくかも知れないというニュアンスがありますね。ところが、ここで過去形の”left”を使ってしまうと、完全に過去の出来事で、これから去る人はいないという感じがしてしまいます。
たかが、現在形、されど現在形。基礎と馬鹿にせず、しっかりと腰を据えて修得していきましょう。漫然と英文和訳をするのではなく、自分ならどう訳すか?という視点で見ていくと、プロの翻訳家、ネイティブの感覚が見えてきます。

というわけで、”But surprisingly few people leave Mikado city.”は難しい単語も、難しい構文もない、本当に中学生レベルの英文ですが、シッカリと発信出来るレベルで身につけようと思ったら、なかなか奥深いという事が分かったんじゃないでしょうか?スラスラと書ける、話せるようになるために、20回暗唱しましょう。

ではでは、また次回。
PR

コメント

プロフィール

HN:
miz
性別:
非公開
自己紹介:
【学歴】
小学校:地元公立。英語は全く学習せず。
中学校:地元公立。英語は学校の勉強のみ。
高校:某都立進学校。模試で偏差値30台。
浪人:某予備校で一浪。模試で成績上位者に。
大学:早稲田大学商学部。勉強せずに卒業。
現在:国内メーカーに勤務。

【英検】
英検3級  中学の頃。[記録なし]
英検準1級 15年第3回 [一次78点、二次33点]

【TOEIC】
08年10月 630点 [記録なし]
12年09月 625点 [L285、R340]
13年03月 685点 [L325、R360]
13年06月 685点 [L305、R380]
14年03月 950点 [L460、R490]
14年12月 920点 [L470、R450]

【TOEIC SW】
15年02月 280点 [S130、W150]

忍者カウンター

ブログ内検索

フリーエリア